CrowdStrikeのブルースクリーン問題の考察:ソフトウェアアップデートが重要な理由
CrowdStrikeのアップデートの問題によって大規模なITシステム障害が世界的に広がり、ソフトウェアアップデートが注目を集めています。このブログでは、ソフトウェアアップデートを恐れるべきではない理由について説明します。
ESET 1 August 2024
CrowdStrikeのアップデートの問題によって大規模なITシステム障害が世界的に広がり、ソフトウェアアップデートが注目を集めています。このブログでは、ソフトウェアアップデートを恐れるべきではない理由について説明します。
ESET 1 August 2024
コンピューティングの世界において、Windowsシステムでブルースクリーンエラー(BSOD: Blue Screen of Death)に遭遇することほど不安なことはありません。この不吉な画面には、謎めいたエラーメッセージが表示され、熟練した多くの技術ユーザーでも、不安と苛立ちの入り混じった感情を抱きます。
日々の生活で利用している最も重要ないくつかのサービスが中断するなど、広範囲な影響を及ぼすインシデントでBSODが発生し、世界中の多くのデバイスが使用できなくなれば、不安は一層高まります。先日、CrowdStrikeのアップデートが原因とされる障害がWindowsデバイスで広がりました。
最初に、BSODについて理解しておきましょう。BSODは致命的なシステムエラーであり、BSODが発生した場合、さらなる被害を防ぐためにWindowsを強制的にシャットダウンしなければなりません。ハードウェアコンポーネントの不具合、オペレーティングシステムで衝突を引き起こす古いドライバ、システムや重要なアプリケーション(またはそのアップデート)の重大なエラー、そしてマルウェアなど、さまざまな原因によってBSODは発生します。
このようなエラーが検出されると、Windowsは動作を停止し、停止コードと、場合によってはQRコードと一緒にBSODを表示し、システムの損傷を防ぐために再起動します。BSODは使用しているマシンで致命的な問題が発生したことを示しますが、パニックに陥ることなく、Microsoftのこちらのガイダンスを参照して落ち着いて対応してください。多くの場合、BSODの問題は解決することができ、同じ問題を今後回避するための対策を講じることができます。
BSODの問題は、ソフトウェアやデバイスを最新の状態に維持することの重要性にもつながっています。ソフトウェアアップデートの重要性を理解し、適切にアップデートを適用することは、進化し続ける脅威を防ぐために極めて重要です。
基盤となるオペレーティングシステムやファームウェア(デバイスのハードウェアを動作させるためのソフトウェア)と同様に、すべてのアプリケーションでアップデートが必要です。このようなアップデートは、生産性を一時低下させることもあります。また、多くのユーザーにとって面倒な作業かもしれませんが、いくつかの理由から欠かすことはできません。
特に重要な理由は、自分自身と組織の安全性を確保するためです。完全なソフトウェアは存在しません。ハッカーに悪用される脆弱性などのエラーが含まれていることも多くあります。また、パッチが適用されていない脆弱性が、データ侵害の原因の大きな割合を占めていることも周知の事実です。
これが、ソフトウェアベンダーが定期的にあるいは必要に応じて提供しているパッチを適用することが重要な理由です。昨年報告された脆弱性は2万9000件以上に上っており、前年の約2万5000件から増加しています。
ソフトウェアのアップデートは、個人情報や財務データを狙った脅威から保護するだけでなく、デバイス全体の動作を適切に維持する上でも重要な役割を果たします。ソフトウェアアップデートは、セキュリティ修正プログラムだけではなく、さまざまな問題、バグ、不具合に対処し、新機能を追加し、デバイスのバッテリー持続時間を改善し、システムのパフォーマンスを向上させます。
ソフトウェアアップデートには潜在的なリスクはありますが、それを上回るメリットがあります。確かに、ソフトウェアアップデートは、新たな問題を引き起こす場合があります。例えば、既存のアプリケーションやシステムソフトウェアとの衝突や予期せぬ挙動を引き起こすことがあり、古いハードウェアコンポーネントで適切に動作しない場合もあります。また、システムが不安定になる可能性があり、エラーが発生する場合もあります。最終的に、最近のアップデートで問題が発生した場合に、安全対策としてロールバックしなければならないケースもあります。
皮肉なことに、アップデート自身が新たなセキュリティ脆弱性を持ち込む可能性があります。これらの脆弱性は次回のアップデートによってパッチが適用される前に攻撃者に悪用される恐れもあります。また、ESETの調査でも繰り返し明らかになっているように(最近の一例をこちらのリンクから参照してください)、高度なスキルを有する攻撃者はアップデートの仕組み自体を破壊して偽のアップデートを配信することもあります。
私たちの生活やビジネスなどのあらゆる場面においてソフトウェアは欠かすことのできない存在です。ソフトウェアスタックを常に最新の状態に保つことは、デジタルライフを保護するための最も効果的な戦略の一つです。そのソフトウェアをアップデートするときには、メールのリンクや広告をクリックするのではなく、必ずソフトウェアベンダーの公式のソースからアップデートをダウンロードしてください。今後、ソフトウェアアップデートを無視する、あるいは、インストールを先延ばしにしたいう誘惑にかられたら、アップデートがなぜ必要なのかをもう一度思い出してください。