ESET、ロシアでの新規販売を停止

Next story

※本内容は、3月8日発表された”ESET stops all new sales in Russia”を翻訳したものです。

ブラチスラバ発 – ロシア政府によるウクライナ侵攻という衝撃的な決定を受け、EU(欧州連合)に本社を置くエンドポイント保護プラットフォームのリーディングベンダーであるESETは、現地時間3月8日、ロシアならびにベラルーシにおいて、個人および法人に対するすべての新規販売を停止することを発表しました。これまでも、ロシア政府が現地ベンダーを優遇するような税制、法律、認証プロセスを導入した2016年から、ロシア政府ならびに関係機関への販売はすでに禁止されていました。

ESETでは、この決断を補完するために、侵攻に対して以下の4つの統合した対応を取ります。

  • ウクライナ市民に対する人道支援を行います。ESET基金は、ウクライナ市民を支援するため、直接的な付与による支援とNGO団体 (INTEGRA FoundationとUNICEF)への寄付を合わせた50万ユーロの初期基金を設立しました。ESETは企業、そしてコミュニティの一員として、社員の寄付を組織し、社員が人道的な目的のためのボランティア活動に費やした時間と同額を寄付するマッチング寄付も行うことで、社員がコミュニティで積極的にボランティア活動を行うことを奨励します。さらに、ウクライナのパートナー企業の社員とその家族に対して、宿泊施設や現金、物資などの直接支援と継続的な支援を行っています。
  • ウクライナのパートナー企業の技術サポートスペシャリストと密に連携し、現地にいるお客様の継続性を確保するために顧客サポートを拡充しました。さらに、ウクライナのすべての法人顧客に対して無償で最上位製品へのアップグレードと、ライセンスの有効期限を迎える法人、個人顧客に対して無償でライセンスの延長を実施しています。
  • この紛争に起因するサイバー脅威に対処し、解決し、低減するために取り組んでいる、多くのグローバルおよびヨーロッパの団体にセキュリティのリサーチとインサイトを提供しています。ESETは独自のマルウェアテレメトリとセキュリティに関するインサイトにより、デジタルの世界を保護し、より安全にすることに取り組んでいます。WeLiveSecurityブログで調査結果を共有し、インシデント対応への支援を強化しています。ESETのリサーチ部門は、デジタル領域において紛争に直接関連する脅威を監視しています。2月23日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の前に、ウクライナを標的にした新しいデータワイパー型マルウェア「HermeticWiper」の発見に関する発表を行いました。2月27日から3月1日にかけては、ウクライナ戦争を悪用した慈善詐欺に関する警告を発表、さらに、HermeticWiperを拡散させるために別のワイパーとワームコンポーネントが使用されていることを発見し発表しました。ESETは、EU内の各国のCERTを含む企業や政府機関の防御的サイバーセキュリティ態勢を引き続き支援します。
  • この対応を強化するため、紛争地域や、隣国諸国、国際的な対応への参加を表明している国で、セキュリティリスクが脅かされている組織が標的になった場合のために、セキュリティソリューションのアップグレードを行いました。また、既存ならびに新規顧客へ、ゼロデイ攻撃に対する強力な保護機能であるESET Dynamic Threat Defenseを無償で追加するサービスを国際的に提供しています。

ESETは30年以上にわたりデジタルセキュリティを提供してきたヨーロッパのベンダーとして、ウクライナ、ロシア、そして全世界で利用可能な、多岐にわたるセキュリティソフトウェアへの貢献を通してニーズに応えてきました。そこで、ロシア市場における最大の非ロシア系のエンドポイント保護ベンダーとして、ロシア、ベラルーシでの新規販売停止は容易な決定ではありませんが、最優先すべきはウクライナとその国民をさらに支援してゆくことです。そこで、サイバー防衛と、共有されているデジタルセキュリティの優先課題において、ESETの立場とヨーロッパのパートナーへの支援を最もよく表わすために、ESETは今回の措置をとることを決定しました。さらなる措置は現在検討中であり、追って発表される予定です。

ESETの立場は、UA Crisis - ESET Response Center(英語のみ)をご覧ください。